空白
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衝突4

 サエの店のオープンに顔を出す予定だったが、仕方なくお祝い電報を打った。私はカオルの東京店の部屋に陣取る。野党の党首の秘書にも張り込みをつけた。カオルのパソコンを一日中覗いている。昔からカオルはこのパソコンに暗号を入れて管理している。
 どこで調べたのか反主流派のボスにファイクサーから8億流れたという事実が書かれている。これは元頭取が副頭取に調べさせたようだ。履歴証明が付いている。送金会社は例の警備会社だ。
「赤坂の料亭のビルの裏口であの時間警備会社の車が停まっていたという情報が入った。あの警備会社だ。会長に警備会社の車庫や寮を調べさせてほしいんだ。こちらでは手が足りない。事務所からリストをそちらに流す」
 探偵が一つの糸口を見つけてきた。
 そのメールを確認して私設秘書に送る。8か所あるが15人を動員したと彼からメールが入った。私は時計を見て野党の党首の事務所に出かける。もう簡単には党首とは会えない。応接室に秘書が顔を出す。
「総理は決まりましたか?」
「いえまだです。派閥同士で会談が持たれていますが」
「どうも、反主流派のボスにお金が流れたようですが、当社の社長からは事実が確認できなかったと報告があり、それ以降行方不明になっています」
 鎌をかけた。
「と言うことは総理は?」
「判断できないことになりました」
 この鎌は反主流派のボスにすぐに流れるだろう。勝負があったのだからカオルは必要なくなる。私はそれだけ報告すると事務所を出た。後はマネージャーに付けてもらう。
 15分後、マネージャーが反主流派のボスの部屋に入ったと連絡が入る。それから20分後にタクシーに乗って警備会社に入った。
「そちらに野党党首のマネージャーが入った。監視してくれ」
 探偵に携帯をつなぐ。





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衝突3

「カオルは何をしていたのですか?」
 ホテルの一室で一人煙草を吸っている会長の背中に声をかけた。
「遂に御大が出動してきた。野党再編を手掛けたのは彼だ。R事件の怨念だろうな。ITM事件の発端を作ったのも彼だ。人脈で言えば儂なんかはまだ子供だ。だがこちらも押されてばかりはいられない。総理も頭取ももう隠居の気持ちだ」
「なぜカオルを危ない世界に出すのですか?」
「あれは昔の儂に似ておる」
「何をしていたのですか?」
「先の先だよ。今回反主流派のボスに金が流れた。ここまでは仕方がない。先手を打たれたのやからな。だがさすがに現党首を押さえて総理の座を手にはできん。彼はその次を狙う。その資金だよ。カオルにはその資金の流れを追わせていた。だが彼らはカオルが資金を阻止しようとしていると見て監禁している」
「拷問するんじゃ?」
「分からん」
「それは冷たすぎるではないですか?」
「かもしれん。カオルはすでに流れを確認したと言っていた。すでに野党の党首の秘書は反主流派に取りついている。それで鎌をかけるので会ったのだ。だがこちらの裏をかかれたのだ」
「どういうことですか?」
「秘書が薬を盛った。ビルの防犯カメラに映っていない。裏口から運び出した」
「でもちいママは携帯を受けとっている」
「ちいママに確認したが車の騒音も入ってなかったとな。前もって部屋から入れたのじゃ」






衝突2

 会長から10人ほど赤坂付近の聞き込みを行っているという連絡が入った。こちらも探偵から3人を出してもらっている。私と探偵は現場を離れてファイクサーの泊まっている赤坂のホテルに入った。やはりカオルを拉致するというのは今は彼の周辺しかない。彼から資金が流れ反主流派のボスに流れているというのはカオルが持っていた情報だ。
「こちらにも1人配置した。ファイクサーは3日前にこのホテルに入っている。2日前までの出入りは分からないが、先程マネージャーから送ってもらった男の出入りは今はない」
 探偵が携帯の写真を見せるが見たことがない顔だ。
「野党の党首の秘書は彼女が会長の要望を持って来ていて1時間半ほど打ち合わせをしてその店で別れたと言っている。彼女は店を出て携帯を取って誰かと話していたようだと」
「東京のちいママだ」
 話しているとサングラスの男が椅子に掛ける。私設秘書だ。黙ってホームページのコピーを置く。
「この防犯カメラの男はその警備会社の班長です」
「警備会社?」
「元警察官で固める会社でこの男は知能犯の警部だった男です。ここはファイクサーの顧問会社でもあります。ここは警察の上層部の天下り会社です。直接政府から高額な政界の警備を任されているようです。ここは反主流派のボスもよく使っているという話です」
「取りあえずそこならルートがある。張ってみる」
「あなたはこれから会長に会ってもらいます。このホテルに来ておられます」




衝突1

 野党内閣の陣容がまだ固まらないようだ。これはどうも反主流派ボスが派閥固めをしているという噂が流れている。それについてカオルからどうも反主流派ボスにファイクサーから新しい資金が流れていると言っている。ここで総理に反主流派ボスかその派閥から出す可能性があるという。今は資金が勝負を決める。
 そんな最中マネージャーから携帯が入った。
「至急に東京に来てください。昨夜からママが行方不明なのです」
「直近まで何をしていたのですか?」
「会長の用事で野党の党首の秘書に会いに行っていたはずです」
 その足で東京に飛び立った。空港で探偵を呼び出して足取り調査をしてもらう。
 空港に着くとマネージャーと探偵が迎えに来てくれる。
「秘書は夜の9時まで料亭で一緒だったと言っている。その後彼女の携帯でちいママに10時には店に入ると連絡があった。そこから消息が消えている」
「ちいママの話では最近店に新顔がよく来ていると言っているわ」
「今防犯カメラを見てもらっている」
「総理争いか?」
「でも党首が総理になるのでは?」
「反主流派ボスが最大派閥だ。金を封じていたから後ろに下がっていたが」
「長野のファイクサーが東京に出てきているということだ」
「厄介なことにならなければいいが」




起承転結13

 カオルが持ってきた地上げの資料全体をここ5日間丹念に見る。昔の買値が半分まで落ちている。だが交渉が行き当たりばったりで行われている。さっそく赤坂の現場責任者に地上げ順位の確認のメールを入れた。このままでは融資枠の200憶では収まらない。カオルはあれから大阪から東京に飛んだ。どうも会長とパイプは相当太い。
 3時過ぎにカオルの事務所を出て阿倍野の新店舗のリホーム状況を見に行く。
「サエ着てたのか?」
 サエがジーパンに作業着を着て職人に細かい指示をしている。
「5時から研修生も入ってみんなで展示をするの」
「手伝うよ」
「カオルさんからもうお祝いの花束が届いているの。まだ大阪に?」
「いや、もう東京に飛んだ。エッチをする暇もない」
「恥ずかしい」
 5時になると3人がユイを連れて集まってきた。どういうわけか姉さんが商品をトラックに積んで運んでくる。今回は壁に大型のテレビをつけて女装の録画を流すようにする。だが今はテレビを流している。衆院の結果を見るためだ。早くも野党連合の当確が続出している。会長の大逆転が起こるのか。
「入居祝いは私が持つからね」
 姉さんが寿司とビールを運び込んできてサエと腕を組んでいる。
 テレビの画面に野党の頼りない党首の顔が映し出されている。なんとその真後ろにカオルがいる。サエも見つけたようでビールの入ったグラスを軽く上げている。
「カオルさんはイサムの力を求めている。私は横にいるだけで幸せよ」












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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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