空白 ミステリー

模索 1

「ここの机でしばらくどうかな?」
 探偵の事務所にしばらく厄介になることにした。カオルがマネージャに連絡を入れて500万を借りることにした。しばらくは探偵事務所の近くのビジネスホテルに泊まることにする。
「頭取はあの日から別荘から出て赤坂のホテルに移っている。今日は9時から3時まで役員会だ。合併の件だ」
 新聞を開いて見出しを見せる。大型銀行合併の時代が始まるとある。すでに3つのグループが交渉を始めているようで政府が指導しているように見える。
「両行とも合併にはすでに合意しているが、どちらが頭取を採るかで揉めているようだ。助け出す準備はできているが?」
「実行は待ってほしい。頭取とはできるだけ円満に話で決めたい。やくざの方は大阪の若頭に相談している。頭取と会長では勢力はどうなんだ?」
「数では頭取派は多いが、腹の座った人物がいない」
と言いながら役員の派閥表を見せて説明する。これは私が作ったものに最近の修正を入れている。
「この◎の常務は?」
「その◎は君が点けていたので調べてみた。家系には遠いが長らく海外に出ていて、まだ50歳代後半だが切れる。頭取も何度か君に接待させて引き込もうとしていた。どうも会長は聞いたところでは相手銀行に若返りを要求しているようだ。役員会では頭取派は沈黙している。頭取逮捕が頭を過っているようだ。それに今は動ける腹心がいない」
 私のことだ。
「直接対決はしばらく待った方がいいと思う。今朝マネージャーから電話が入って、ママの使っていたパソコンもデターを盗まれたと言っていた。もちろんそんなところにはないと言っている」
「まだ足掻いているわけだな」
 私は鞄の中から鍵の型を取った薄紙に2桁のアルファベットと5つの数字を記載しているのを見せた。
「この鍵がどの銀行の支店の貸金庫の鍵か調べてほしい。夜には会長と赤坂のホテルで会う」
「そちらにも一人回わそう」







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新しい道 13

 一目では女としか見えない化粧を施した。自分でも抱きたいような不思議な気分になる。
「さすがにちーママだな」
「元がいいからよ。玉取ったら?」
と言って運転席からスカートの中の竿を握る。危ない目をしている。
 6時にホテルに着くと案内板を確認して、エレベターで最上階に上る。連絡通りの部屋に入る。
「へえ、こんなに美人になるんだなあ」
と言いながら探偵が監視カメラの位置を紙に書いて説明する。夕食が運ばれたから朝まで誰も来ないと言う。
 薄くドアを開けてカメラの動きを見る。その隙を見て隣のドアを押す。
 待っていたのかカオルが起き上がる。私は思わずキッスして抱きしめる。久しぶりの感触だ。頭の上に薬の袋が置いてある。
「どうなんだ?」
「頭取の愛憎表現なの。もう彼のものは立たないわ。最近はアナルに花瓶を入れるのにも飽きて、生身の腕をすっぽり入れる。そして力任せにかき回す。爪のばい菌が入ったらしいの。ほらこんなにお腹が膨れているの?自分で塗るのは難しいから消毒して塗ってくれる?」
 突き出した尻の穴から薬を塗った腕をゆっくり入れてく。カオルのものが反り立っている。私は傷つけないようにゆっくり腕をよじる。もう片方の手で反り立ったものをゆっくりしごいていく。
「会長を動かしたよ」
「ええ、予定通り」
「総理も電話を入れた」
「頭取は彼に呼ばれて行ったわ。おそらく大きく狂い始めたと思うの。いいいいわ」
 ゆっくりと腕を抜き出すと同時に私の片方の手に暖かい精液が飛び散る。
「こんな治療なら何度でも受けたい。私は逃げ出さない」
「分かっている。段取りをして頭取と話をする。でもやくざの方は?」
「頭取とうまくいってないのよ。債権機構が入って処理を始めている。それに今は会長を柱とする役員会が銀行を指揮している。頭取は蚊帳の外だわ」
 私は2時間が立つ前に探偵から預かった携帯を置いて外に出る。







新しい道 12

 今日も生存確認の電話をサエに入れる。部屋には電話がないので食堂でする。それから若頭の携帯に電話を入れる。
「すいません。今東京にいるのですが?」
「頭取に会うのか?」
「はい。ママが監禁されているので。あの組は分かりますか?」
「どうもあの殺されたサングラスの男は分家の横浜の組だ。その組長が指揮を執っているということだ。仲間内の話じゃ伊藤と組んでかなり金を引っ張っていたが、今は焦げ付いて100億ほどを抱えている。頭取と組んでその金を踏み倒す予定だ」
「武闘派なのですか?」
「いや、私と同じ経済やくざだ。得にならないことはしない。彼とは話ができる。必要になったら力を貸す」
 電話が切れると、すぐに探偵の携帯に入れる。
「昨夜別荘からママが運び出された。朝一番病院に寄って新しい隠れ家に移った」
「どうして病院に?」
「医者にも会って聞いたが、大腸に傷が出来ていて腫れているということだ。移したのは失踪届が出たからだそうだ」
 マネージャーが予定通り出したようだ。
「どこに移されたか分かるか?」
「今そのホテルにいる。デルヘル専門のホテルだ。彼女は動けないからそれほど警備は厳しくない。逃がすのは難しいが会うことはできる。女装で来れるか段取りはしておく」
 さっそくその話をマネージャーにしたら、あのちーママが衣装を揃えてやってきた。彼女は私を全裸にして化粧を施して女装させて車に乗せる。どうも彼女が今東京の店を見ているようだ。














新しい道 11

 この赤坂のホテルは総理が私との打ち合わせでよく使っていた。それにUSBから総理の個人携帯の番号を見つけていた。この番号は私設秘書以外頭取のような一部しか知らない。会長との会談を終え会長の携帯から直接番号に連絡を入れた。声を聞えるようにした。
 しばらく呼び出しが続いて、それから長い沈黙があった。
「第2課長の新堂です。ご無沙汰しています」
「記憶を失ったと聞いているが?」
「まだ記憶を失ったままです。ですが『白薔薇』のママを助けに出てきました。私の資料は手元にあります。よろしく伝えてください」
 頷いたような声を残して切れた。
「総理の声だ。今度は私から頭取と面談を申し込む」
 と言うなり会長がメモに自分の携帯番号を書いた。私はその足で有楽町の雑居ビルに向かう。これもUSBの中に打ち合わせ記録として出てくる。どうも私が個人的に使っていた探偵のような気がする。
 ノックしてゆっくりドアを押す。手の感触が覚えている。
「へえ、新堂さん」 
と机の向こうから声がかかる。彼は私を応接室に入れると鍵をかけた。
「君が消えてから、伊藤が何度も現れた。俺に乗り換えろと言っていたが彼奴は信用ならんのでな」
「頭取は?」
「頭取は私の存在を知らない。まだ記憶がないままなんだな?」
「そうだ。力を貸してほしい。金も用意できる?」
「金は最後に300万貰っている」
 私はメモ帳に頭取の別荘の住所を書く。
「ここに『白薔薇』のママが監禁されている。助け出せなくていいから調べてくれ」








新しい道 10

 朝サエに生存確認の電話を入れる。それから出勤する第1弾のワゴンに相乗りし赤坂のホテルの前で降ろしてもらった。第1課長とは夜連絡が取れホテルの1室で会長と会うことなった。フロントの前に第1課長がサングラスをかけて待っている。黙ってエレベーターに乗り込み私が続く。廊下には頑丈な男が2人立っている。
「いや、東京にいよいよ出てきたんだね。先手を打った」
 会長が週刊誌を拡げて見せる。
「あの記者が君の原本のUSBを持っていると書いている。そのUSBのコピーがすでにさる人の手に回っているとも。私はさる人なわけだね?」
「『白薔薇』のママが頭取の手に落ちています」
 私は背広のポケットから鞭の傷跡だらけの背中の写真1枚だけ見せた。
「ママは鎌倉にいる。頭取はママを殺さない。彼は私が原本のUSBのコピーを持っているとこの記事で確信しただろう。それで昨日の役員会では合併について私の意見を求めてきたよ。私は合併についてはやむなしと答えた。もう粗方段取りが出来上がってしまっている。後手だ。ただ彼を新銀行の頭取にはできない」
「後ろに総理がついていますよ」
「やはりな。それで少し見えてきた。どうも検察の勢いが止まっていたからな」
「実はこのUSBより凄い証拠があるのです。ただこれを出さずに治めたいのです。それは私の力では無理です」
「私も銀行を揺るがしてまで頭取を追い込む気はない。まして総理を引き出すのは日本を揺るがす。つまり私が握っているということにしたいわけだ。君とママに手を出すなという無言の圧力をかけると言うことだね?」
「私も頭取に仕えてきたので」
「腹芸をしろということだな?」












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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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