空白 2019年06月
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起承転結2

 私設秘書の代わりに私が新党結成の記事を送る。記者は局長の了解を取って朝刊の1面に載せる。長野でカオルと合流して彼女に予約した旅館の貸し風呂で3時間もの長風呂をした。湯に浸かってのプレイはさすがの二人とも夜は爆睡だ。翌朝新幹線で東京に戻って、カオルは会長に私は元総理に会いに議員会館に行く。
 総理の時とは違ってボディガードはついておらず、狭い部屋に通される。そこに元総理と元頭取の顔が並んでいる。
「ご苦労さんやな」
「二人揃って今度は何を?」
「いや、無職になったら会長が思いきりこき使って来るわ」
「新党首はあまりにも頼りないですよ」
「それでいいんや。反主流派のボスじゃ政権は戻ってこない。彼を党首にしない作戦だ。徳俵に乗った気分だね」
 元総理は口が軽くなっている。
「夜はカオルと泊まったんだろう?」
「・・・」
「妬いてない!しっかり可愛がってやってくれ。遠足の時みたいにうきうきしてたの」
と好々爺に顔になっている。
「ところで今夜でも銀行の会長と会ってくれ?副頭取を解任して息子の常務を頭取にする。その代り副頭取に営業部長を置く」
 平取の営業部長は昔からの元頭取の子飼だ。さすがにワンチャンスをものにする。
「私設秘書は?」
「記憶を失った状態だ。会長の秘書のような仕事をしているわ」




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起承転結1

 反主流派のボスが副頭取に続いて検察に呼ばれた。記者の出した記事の写真が効果的だったようだ。それで野党の再編が大きく流れを変え始めた。急に反主流派のボスが与党から脱党した彼を押し出した。再編の派閥では順位は3番目で名前もに上っていなかったのだ。SM館から送った5億がものを言ったようだ。
 カオルは私と同じホテルに泊まりながら先に信州での前総理のゴルフ会に出ている。私は昼過ぎから2代目に会いに別荘に出かけた。私の肩書は会長の秘書である。
「おめでとうございます」
「いや、まだ決めかねているんだよ」
 どう見ても人のいい坊ちゃんだ。隣に年配の秘書が付いている。これはすでに会長の下についている。
「反主流派の彼が党首になるのが一番いい」
「でも彼は検察に呼ばれていて今は顔を出せる場面ではないはずです」
「なら2番手の?」
「それは彼が認めない。それで新党名は?」
「それはすでに話が出来ています。これが現在の合意事項です」
 秘書が用意していたコピーを見せる。
「思ったより議員が集まったようですね?」
「だが右から左まで幅広すぎる。長持ちできないさ」
 その通り会長はフィクサーの長年の準備を逆手に取る気だ。







 

黒幕 12

 どうもカオルと組むと、政界とは足が切れないようだ。とは言えカオルと縁を切ることなどできない。彼とは生来に縁なのだろう。夜に東京に呼び出された。迎えに来たのはカオルで会長の本宅に向かう。
「二人は似合いだな。それでも一緒になれないか」
 カオルが私の横に座って私の手を握っている。
「妻にはなれませんが死ぬまで相棒です。夢の店舗展開も始まりました」
「儂も最後の勝負ができるのでわくわくしておるわ。カオルを拾ったと伊藤が言っておったが、あれは儂が作った作り事や。週刊誌が書いてくれたので伝説みたいになっとるがの」
 私も伊藤の話を信じていた。カオルが否定しないせいもあった。
「元々儂の田舎の知人の世話で12歳の頃事務所の駒使いをしていた。それが時々隠れて女の子の真似をしていて、ついに竿だけになりよった。儂も悪かった。政治家に抱かせていたからな。ある意味ではカオルは儂の耳だった」
 今も耳なのだろう。あの頃はそう言う世界が見えなかったのだ。
「今度の勝負で儂は引退する。後はカオルの任せると言ったが、君と二人で継ぎたいというのや」
「私はサエに妻の座は譲った。でもこれは譲らない」
 私はゆっくりと手を握り返した。
「それでや。明日にでもこの男に会ってもらいたい」
 これは離党した派閥の長だ。2代目でまだ若い。

黒幕 11

 新内閣は野党の反対にあってどんな法案も通せない。野党同士の会合がやたらと開かれている。副頭取は地検に呼ばれて野党再編の資金が凍結された。野党の蟻のような議員の群れが蜜を求めてさまよっている。
「今いいですか?」
 記者からの携帯だ。私が大阪店に入ってから経理がここに移って来ている。ここのちいママは何度かカオルに言われて3Pをしている。事務所のドアに鍵をしてやろうという女だ。今も机に潜って私のものを銜えている。
「この記事はさすが局長から止められましたよ」
「そうだろうな」
「他人事のように言わないでくださいよ」
「反主流派のボスの資金源は副頭取の裏金という奴だな?」
「検察で調査中ですからね。かなりのニュースソースでないと触れないのです」
「オフレコで言うがこれが漏れるとひと一人の命が危ない。これを書いているのはあのブラックジャーナルの編集長だ。彼は元々元総理の私設秘書だった。それが総理とぶつかって解任されて反主流派のボスに付いた」
「ならおかしいではないのですか?」
「うう」
と思わず声が出た。ちいママの口に大放出した。
「どうかしたのですか?」
「いや、彼は取り分が貰えなかったので脅してる。今ファックスを流すからその写真を使ってくれてもいい」
 これは会長から前もって貰っていた私設秘書と反主流派のボスのツーショットだ。




黒幕 10

 サエの店が週刊誌に載った。それで店に人が押しかけてくることになっている。
「美人過ぎると言う見出したよ」
 これは3日前の雑誌だ。ボンがモーニングの後テーブルに置いていった。サエは嫌がっている。私は朝刊の文字を追っている。ユイが「お母ちゃん、お母ちゃん」と写真を指して呼んでいる。サエは恥ずかしいものを隠すようにページを閉じている。
「これだ!」
とつい言葉が出た。
 金融庁が元頭取の銀行に査察に入った。裏口座の投書があったのだと簡単に書いてある。これは副頭取が絡んでいて反主流派の資金源になっている。
「カオル今いいか?」
 今日は東京に戻っているはずだ。
「今風呂から上がって独りビールを楽しんでいるところ。修司が遊んでくれないからオーナニー復活よ」
「副頭取の裏口座押さえたのは頭取か?」
「そんな話してたわ」
「私設秘書は?」
「副頭取の接触を確認したから、今度は会長が場所を変えたわ。これで反主流派の資金が止まるわ。そこにあの5億が生きて来るらしい」
「あの投書記事の主を私設秘書にするつもりか?」
「近々に原稿が届くわ。これは私の勘だけど、長野のフィクサーと会長の因縁の対決のようだわ。これは頭取の寝言だけど、二人はR事件を起こした総理の秘書と金庫番らしいの。会長は追い出された金庫番だそうよ」










黒幕 9

 最近は普通の夫婦のようにサエを定期的に短く抱いている。私はサエのアナルがすっかり膣に思えてきている。とくに母親のような優しい目になっている。それに比べカオルはますます野獣のようになってきている。昨日は昼前に大阪に来て3時間たっぷり彼女の部屋でセックスをした。
「いくら集まってきた?」
 カオルは全裸のままビールの小瓶を私に渡して聞く。
「5億ぴったりだ」
「それをこの口座に送ってほしいの」
「これは私設秘書のジャーナルの口座じゃないか?」
「どうも私設秘書は拷問で吐いたようなの。会長が組から情報を買った。彼のところには副頭取から接触があった」
「副頭取?」
「どうも彼が反主流のボスと副頭取を繋いでいたような」
「金の流れを止める気だな?」
 それでどうしようとしているのか。
「こちらの口座は解約をしておく」
 カオルのものはまた反り返ってきている。
「今日はこれ以上やらない」
「一人でやるから」
 完全に拗ねている。



黒幕 8

 今日は昼から金融屋の事務所に出る。親分はもうここに出てくることはない。親分の席に姉さんが座っていて、私の席は空けたままになっている。
「どうです?」
「人夫出しの方は相変わらずね。不動産管理は1人部長を入れたわ。この前初めてカオルさん指名して抱いた。サエのことよく知ってるみたいね?」
「何か言っていた?」
「仕事を任せてるって」
「少しいい?」
 ドアから記者の顔が覗く。それでそのまま喫茶店に入る。
「野党再編について特集を始めた」
 これについてはカオルから出していい情報だけを聞いている。
「出元は伏せてくださいよ。与党から反主流派のボス以外にもう一つ大きな派閥が出ますよ」
 記者のノートにいくつかの円を書きそこに団体の名前を入れていく。記者は議員の人数を入れていく。
「与野党逆転の流れがありますね?」
 私はあえて返事はしない。
「でも与党のもう一つの派閥は確証がないのでは?あの赤坂の写真にはなかったですね?」
「これはコピーですが信州の与党の派閥のボスの別荘で反主流派のボスが会っています。まさにこの時期にですよ」
 これはカオルが送ってきたものだ。


黒幕 7

 カオルが送った記事が出た日、新聞の1面に総理の退任の発表と主流派の禅譲の名前が出た。だが5人の名前も出て総裁選になるという。もう総理にまとめる力は残っていないということだ。派閥で言うと反主流派のボスが一番大きい。だが予想に反して選挙を繰り返しているうちに決戦で反主流派のボスが敗退。そこまで読んでいたのだろう。記事の通り反主流派が党を脱退した。予想の人数の半分だという。
「社長からです」
 引退したニューハーフから受話器を渡される.。カオルはここでは社長だ。
「長野に来ているの」
「まさかフィクサーに会う?総理に頼まれた?」
「いえ、頭取と会長よ。この日のためにフィクサーのところにラインを作っておいた。私の『白薔薇』の客よ。今回彼も与党から離党して新党を作る」
「カオルも怖いな」
「こういう仕事をするからここまで来れたのよ」
「分かっている。ところで何をしたら?」
「資金を集めてほしいの」
「あの貸金庫を開けるというのか?」
「それはだめ。あれは私達を守るもの。資金は会長が調達してくる。それであの『白薔薇』の裏口座を」
「新党の規模は?」
「おそらく彼が合流すれば5分5分までになるそうよ。会長も頭取も次の厳しい時代を覚悟してのこと」








黒幕 6

 披露宴が終わってからカオルの携帯に掛け直した。サエとユイを先に帰らせてボンと久しぶりに飲んでいる。
「悪かったな」
「いいのよ。会長に頼まれて私設秘書を警察に引き取りに行った。彼の上着に私の記事が入っていたと警察が言うけどこれって」
「会長が監禁の指示を出していた?」
「間に入って解放したのじゃないかな。東京の組がかなり攻めたようで記憶がなくなっている」
「それで?」
「今ホテルに預けて来たところ。会長の監視が付いている。彼を使っていた側からすればどこまでしゃべったのか気になるところよね。こちらから修司の名前で新聞社に第2弾の記事を送った。そちらにもコピーが届くわ」
「内容は?」
「新党結成の情報。主要メンバーの名簿も入っている」
「総理が反撃に出たわけだ」
「いえ形勢は挽回できないそうよ。だから逃げる体制に入ったと会長は言っている」
「分からんな」
 携帯を切るとボンがビールを注いでくれる。
「親父はどうなんだ?」
「認知症が入ってきた。それでしっかりしているときに離婚の話を弁護士としている。今の仕事はどうなんだ?」
「カオルは大した女だよ」







黒幕 5

 会長から貰った野党再編のシナリオを大阪に戻って記者に渡した。実に詳しい内容で、赤坂の料亭に集まった野党の幹部と与党の反主流のボスの写真が添えられている。これが週刊誌に出るのと合わせたように、総理の禅譲の話が出た。週刊誌からはITM事件の記事は消え再編の記事ばかりだ。
 今日は7時から小料理屋貸切で身内だけのやぶ医者のと女将との披露宴がある。私とサエもユイを抱いて参加する。25人ばかりの中でカノンや姉さんやボンの顔もある。サエは子供を抱いているといい母親にしか見えない。
「手は治った?」
 カノンが声をかけてくる。
「あの時は助かったよ」
「奥さん?」
「ああ」 
「可愛い人ね。これじゃもう私の相手はしてくれないね」
「今も?」
「そこの姉さんの兄さんの組長のストリップに出てる」
 姉さんが小声で耳元で囁く。
「兄貴の情婦やってんのよ」
 サエが気が付いたのかカノンに丁寧な挨拶をしている。
 携帯が鳴ってボタンを押す。
「私設秘書が見つかったって」
 カオルの声だ。






黒幕 4

 久しぶりにカオルは燃えた。やはり頭取では欲求不満になっているのだ。今ではカオルのアナルに肘まで入るようになっている。
「よく来たな」
 この会長室は昔のままだ。伊藤に連れられてここに来た。伊藤は会長を裏切って頭取に付いた。
「カオルはますます美しくなる。カオルとしたのはもう10年前か」
「いつでも相手しますよ」
「やめとこう。もう儂も80歳を超えたわ。ところであの爺さんが動き出したってな?伊藤は頭取と組んだ時に儂を裏切ったと思ってたようだが、実は頭取と儂の芝居だったんよ」
「総理の交代が噂されていますが?」
「それでは済まんことになっておる。おそらく与党が割れて野党再編成になるだろう。与党が初めて野に下る時代が来るわ」
「総理は?」
「いろいろ考えた挙句その道を選んだ。総理の交代ではITM事件は暴かれ続けると思っているようだ。丁と出るか半と出るか。それとカオルが儂の口から言えとな」
 珍しくカオルが俯いている。
「カオルは伊藤の女じゃないのさ。儂の女だわ。そう言う話を作っておいた。儂から頭取に譲ったのさ。だが今はお前に惚れておる。だから罪滅ぼしにみんなの幕引きを手伝えよ」





黒幕 3

「どう?彼女とやってみない?」
 カオルが全裸の小柄な少年を指して言う。まだ胸は少年のようだ。だが竿だけになっている。カオルに竿を握られてもう反り立っている。楽屋裏に同様な少年を10人ほど集めて毎日ショーの特訓をしている。私はカオルに秋葉原まで呼ばれたのだ。だが私は頭取にフィクサーの件を聞いてもらっている。
 そのまま1階にある喫茶店に降りる。
「聞いてくれた?」
「ええ、彼は今日は大阪に銀行の合併先を訪問しているわ。昨夜珍しく求めてきたんだけど、口の中で果てちゃった」
 小瓶のビールを2本注文して乾杯する。
「彼の言うには前頭取がR事件と係わりがあって、その当時の総理とそのフィクサーと組んでいて、R事件で追い落としに回ったのが当時は無役の議員だった総理だったらしいわ。その頃頭取も取締役になったばかりで」
「そこで組んだのだな?」
「反主流派のボスは当時の総理の番頭格だったようよ。派閥と資金を背負って準備していた。総理とも話したがこの辺りが引きどきかもと弱気だって」
「それほど追いつめられている?」
「頭取も今のポジションも政権が変われば終りだって言っていた。それと明日この人と会ってほしいと」
 頭取の手書きのメモだ。
「明日私が連れて行ってあげる。ここは私の会社の裏金融でもあるの。あなたも1度会ったことがあるわ」
「元伊藤のボスだな?」
 最後の総会屋と言われた男だ。この人もまだ生きていたのか。

黒幕 2

 久しぶりに記者と小料理屋で飲む。やぶ医者もやはり定位置で飲んでいる。
「これがR事件の記録です。今のキャップがこの記事を担当していたので色々聞きましたよ。改めて最近の状況も調べてみました」
 分厚い資料を封筒に入れてカウンターに置く。
「R事件後フィクサーは姿を消したことになっています。だが現実には数十社の顧問契約をして軽井沢の今の塾を作ったようです。塾生は今までに200人には越えています。名簿も手に入れましたよ」
「さすがに新聞社ですね」
「この名簿を見ると今の反主流派のボスだけでなくかなりの政治家が与党だけでなく野党にいます。これは私の想像ですが、ITM事件と同様な動きがあります」
「また頭取が?」
「いえ、実質に頭取の代わりに副頭取が動かしていたようです。彼は会長派として無力な天下りの頭取に変わって銀行運営をしています」
「会長の息子は?」
「能力がありません。実はまだどこも正式に発表してませんが、近々に政変が起こります」
「総理が変わるということですか?」
「いえ、野党再編成です。実はその真ん中にそのフィクサーがいるのです」
「私設秘書はその片棒を担ごうしているわけですね?」
「気を付けてください。あなたが持っているものを私設秘書は話していると思います」
「まだ終わらないということですね」







黒幕 1

 探偵が送ってきたメールをサエのパソコンを開いて見る。
「届いたか?」
「ああ」
 写真付きのずいぶん前の記事だ。これはR事件として一総理が逮捕された事件だ。その時の仲介役とされたフィクサーだ。もう歴史から名が消えて久しい。
「生きているのか?」
「まだ生きている。歳は90歳は超えている。軽井沢で30代の女性と結婚している。その経営塾に昔総理もいたし私設秘書もいた。その繋がりで彼が私設秘書になったと」
「どこから調べてきた?」
「私設秘書経歴を調べていた。そうしたらこの昔の記事が出てきたのだ。ここには経営塾のメンバーのリストがあった。そこに二人が映っている」
 記事の写真は小さくて見えないが、もう一枚に拡大されたのが送られてきている。
「議員になった頃は頻繁に軽井沢に出かけていたようだ。かなり支援を受けていたようだ。総理になる前までの支払いが載っているが総理後はぱったり消えている。頭取にラインを変更したようだ。だが私設秘書は今でもその塾の講師として活動している」
「でもどうして黒幕と?」
「反主流派のドンはこの塾の最大の支援者だ」
「また厄介な。過去の亡霊との戦いか?」



ねじれ 8

 今日はサエと私がユイを負ぶってサエの店に行く。ユイはもう十分重たい。私にもなつき始めた。今日は奥を拡げたのに加えて2階の倉庫も借りることにしてリフォームを済ませた。ここは売り場になるようだ。今まではオーダーや修理を主にしていたが、ネットを中心として小物やパーツを2階に置くことにした。
 私はサエの初決算の準備で固定資産と在庫を調査する。2人の女の子が階段を上がったり下りたりしている。サエは『白薔薇』の衣装の仕上がったものをマネキンに着せている。
「カオルところの売り上げが増えてるなあ?」
「3店分だし、今回はニューハーフ喫茶の衣装が30着も注文されてるもん。あれこの人が総理だね?」
 予算委員会で野党の議員が私設秘書の記事を取り上げて質問している。
「5億のお金を受けとったそれは事実ですか?」
「そんなことは知らん」
 総理は私設秘書が証拠を出せないことを私から説明されて知っている。それに私設秘書が監禁されていることも知っている。だが追い詰められていることに変わりがない。
「その記事は誰が書いた?」
 そこで野党の議員は言葉が詰まる。どうも反主流派と組んでいる。総理と反主流派のドンとは連日赤坂で会議をしている。どちらが土俵を割るか。
「私設秘書の後ろに意外な黒幕がいる」
 探偵からの携帯だ。








ねじれ 7

 久しぶりに朝激しいセックスをしていると携帯が鳴った。サエのアナルに刺さったまま携帯の画面を覗く。
「ごめんね?刺さったままじゃないの?」
「よく分かるなあ」
「だって息が上がってるから」
「カオルね?」
 サエが小さな声で言う。
「入れながら話を聞くさ」
「私も立ってきたよ。ところで私設秘書はどうも監禁されたようよ」
「頭取が動いた?」
「彼は今回は動いてない。ただ総理の周辺に横浜の組を預かっている組長を紹介したようよ。もう!歳ね。ぜいぜい聞こえるよ」
 サエが必死で声を押さえている。
「サエ声出してもいいよ。私もオナニーをやっちゃってる。頭取は殺さないことを条件にしているから。ただ総理が追い込まれているから」
「一度私設秘書と会えるようにセットしてくれないか?」
「今東京に出てきたら駄目よ」
「どうして?」
「総理の行動が読めない。う~!」
「どうした?」
「顔にかかっちゃった」
「カオルはいつまでも元気だな」






ねじれ 6

 ブラックジャーナルの第2弾は他誌で発表された。やはり証拠が出せなかったのだ。その代り私がやはり匿名でほとんど同じタイミングで『蝙蝠は誰だ?』という見出しで書いた。伊藤は確かに『白薔薇』のママの部屋に盗撮機を仕掛けた。だがそれは早い時期にママに見つかり外されている。これにはわざわざカオルの証言を付けた。伊藤は最後まで総理と頭取の交渉にはタッチしていなかったのだ。
 それと探偵に撮って貰った後姿の元私設秘書と反主流派の秘書のホテル喫茶店での密会の写真の一番見にくいものを掲載した。これは見るものが見たらすぐに理解できるものだ。これは警告だ。
「あの記事は君だな?」
 やはり私設秘書が掛けてきた。
「小遣い稼ぎですか?」
「いや、私の手元に伊藤から聞きだしたメモがある」
「伊藤は知りませんよ。それに組長の弟のメモも存在しない。あれはあなたのでっち上げです」
「私も鞄のやり取りに立ち会っていた。君と同じ情報がある」
「それは違いますよ。総理は鞄の中身を見せなかった。それに後半はあなたは外されていた。すでに反主流派の議員から新聞社に確認が来ています。でもあなたは証拠が出せない」
「・・・」
「殺されますよ。もう私は死人を見たくないのです。総理は頭取に圧力をかけています。頭取には恐ろしい取り巻きがいてあうんで動くのですよ。あなたもご存じのはずですよ」





ねじれ 5

「ああ君か?」
 総理の疲れきった声がする。
「資料頂きました。少し確認したいことがあるのですが?」
「手短に頼む」
「鞄を渡した時その中身は私設秘書は確認していましたか?」
「それはない。私も別荘に運び込むまで中身は見ていない。それにすべて彼が立ち会っていない。後半は彼を外していた」
「あの横浜の組長の弟の話はがせです」
「やはり彼が絡んでいるのか?」
 携帯を切ると同時に記者の声が入ってくる。
「ブラックジャーナルから次の記事が入ってきたのです。これは厄介ですよ。伊藤が組長の弟に話した内容が記載されています。伊藤と当時の総務第2課長は組んでいて『白薔薇』のママのベットルームに盗撮機を入れていたというのです。そこに頭取や総理がママと絡んでいる姿が映っているというのです」
「証拠もなく載せると大変なことになる」
「社も同じ判断です。それで確信できるものが欲しいと交渉しています」
「そのブラックジャーナルの編集長は総理の元私設秘書です。もしこれを記事にするととてつもない政争が始まりますよ。それに事実はその作文ではないから証拠も出ません。実は彼は伊藤と組んでいて総理から解雇されているのです」
「どうすれば?」
「彼は表に顔を出す気はないでしょう。噂を煽り交渉に使っている。一度彼と反主流派の繋がりを調べてみれば」





ねじれ 4

 探偵の調査書と総理の第1秘書から封筒が届いた。朝一番カオルは東京に戻った。私は大阪のちいママと事務所でコーヒーを飲んでいる。
「忙しそうだな」
「東京の秋葉原に店を構えようとしてるんです」
「4軒目か?」
「今度は部屋借りでニューハーフ喫茶なのです。15歳~18歳の若い子をここで育成するようです」
「と言うことは資金繰りを言ってくるな」
と言いながら第1秘書の封筒からあける。これは頭取から私設秘書の時代の情報を送って貰ったのだ。
 彼は総理がまだ内閣に入らない前から秘書をしている。伊藤が在籍していた総会屋がどうも彼のルートだったようだ。やはりずいぶん前からのつき合いだったのだ。この頃は総会屋からの献金も多かったようだ。私設秘書がまだ頭取になる前の頭取に紹介している。
 次は探偵の封筒を開ける。ブラックジャーナル誌の役員に伊藤の名前が入っていたと報告している。総理は彼が伊藤との付き合いのあることを知っていて、彼が情報を流して総会屋や伊藤から金をせびっていたのを理由に解雇している。彼は罠に掛けられたと思ったのだろう。彼もあなたの貸金庫を狙っていると書いている。私への接触はそこにあったようだ。それと最近何度も反対派閥の秘書に会っているようだ。
 携帯が鳴った。記者からだ。
「武闘派に近い記者からの情報です。あの噂の元は組ではないというのです。あの弟はただの飲んだくれて女ばかりを部屋に連れ込んでいたようです。どうも武闘派には頭取との関係もあり厄介な存在だったようです」
 だから消されたのだ。絵を描いているのは私設秘書だ。



ねじれ 3

 記者から電話があって自社の週刊誌を見るように伝言があった。今日は久しぶりに姉さんの事務所に出ている。引き継ぎはほとんど終わった。後は定期的に決算の進行を見ることだけになった。
「今日カオルさんを指名したの。もうドキドキ!」
 カオルの指名を取るのにもう何度も足を運んでいる。
「熱中しないこと!」
と言うが馬の耳に念仏だ。親分の女癖を引き継いでいるようだ。
 『ITM事件再炎上!』と彼の記事の見出しが飛び跳ねている。総理と頭取が赤坂の料亭から出てきた写真だ。今回は直接二人で会ったのをリークされている。それと係り反主流派のボスと総理が会議を持っている。その記事も書かれている。
「この写真は?」
 記者に携帯を入れる。
「ソースは出せません。ただその筋から出てきたもので書かされた感がありますよ」
「赤坂で二人が会うことって今までなかったのです。この写真を撮った人はかなりの情報通です。今頭取と総理を脅している人がいます。その人が写真の主ですね?」
「脅している人?」
 記者は明らかに興味をひかれている。
「実は横浜の組長の弟のメモというのを使って大阪の武闘派が動いてるというのです。このメモは伊藤が監禁されていた時に総理と頭取の政治資金の記録だという噂です。バターしませんか?」
「・・・」
「今度は総理まで巻き込んでの事件になります」
「頭取と総理はそう言う関係があったのですね?」
「ええ、でも証言はしませんよ。しかしこの情報は少し怪しいのです」
「出元は東京のブラックジャーナルです。ただソースは明かしていません」
 やはり私設秘書だ。






 

ねじれ 2

 急遽カオルが大阪に出てくるので彼女の部屋で夕食を共にすることになった。サエは泊まってきてもいいよと送り出してくれた。その間もう一度自分のUSBを何度も見直してみた。それから記者から伊藤の年譜を送って貰って見比べている。これだけでは伊藤が総理と頭取の関係を知るのはあのビデオしかない。
「あのビデオは元々伊藤が私に内緒でつけた」
 いつに間にかカオルがビールを持って背中から顔を出している。
「それを見つけた時伊藤を呼びつけた。その時入っていた映像は頭取と私の絡みばかりだった。総理の映像は伊藤から取り上げてから位置を変えて私が付けたのよ。それは頭取が怖かったから」
「総理の映像はまったく伊藤は知らないのだな?」
「ええ、その頃は修司と出来てしまっていつ頭取にばれるかと怯えていた。それでその映像を修司に預けた。それが貸金庫に入っているのよ」
「だが横浜の組長の弟は伊藤から総理と頭取の関係を聞いているようだ」
「それで私も頭取から調べるように言われた。会長にも会ってみたんだけど誰も見たものがいないというのよ。それで逆に頭取が修司が渡したのではないかと疑っている」
「貸金庫は開けられてない。あの中にピーナッツの記録も入っている」
「それは私も言った。どう見ても修司か私設秘書しか考えられないのよ」
「どうして私設秘書が出てくる?」
「だって修司が書きとめた記録なら同じ立場の彼も付けていたのではと」
「渡した側の記録と貰った側の記録だな」
「これは総理の話だけど、私設秘書は伊藤と関係があったから切ったのだというのよ」
 私は閃くように探偵に携帯を入れて調査を頼んだ。これは落とし穴だ。





ねじれ 1

「どうした?」
 私設秘書いや今は元のブラックジャーナルの編集長だ。急にカオルから携帯があって外の居酒屋で会う。
「横浜の組長の弟が殺されたのは知ってるな?」
「大阪の若頭を殺した武闘派だというが?」
「その通りだ。今この組が力を伸ばしている。そうするとITMで抱えた負債が重たい。今総理は禅譲に失敗して院政が出来ないところに来てしまった。これは欲を掻きすぎたのだ。さすがに私もこの整理は請け負えない」
「会長が派閥の候補と組んでITM事件の再燃だよ。地検は今回は政治資金に絞っている」
「だが決定的な証拠は出ない」
 会長に渡したメモはほんの1部だ。本物は私の手にもない。まだ貸金庫に眠っている。
「武闘派には情報がないだろう?」
「それが武闘派の幹部が頭取と会長に二股をかけた。彼の手元に弟が伊藤を拷問にかけた時のテープがあった」
「中身は?」
「分からない。その一部が会長にも流れた。頭取は対応しなかったのでそちらと交渉になったようだ」
「だが伊藤は総理と頭取との深い関係は知らなかったはずだ」
「そこが分からない」
 頭取はこの辺りで引こうとしている。だが今度は総理が引きに引けなくなって頭取を引っ張っているようだ。と言うことは私のITM事件も終わらないということだ。
「双方から攻められる恐れが出てきた。資金はこちらからも出すから連携しよう」
 しばらくカオルから情報を取るしかない。







初恋 11

 サエとユイを連れて黒髪の女アヤ、つまりユイの母親の墓参りに行く。ユイを引き取ってから初めてだ。サエが是非とも行きたいと昼から出かけた。サエはどこかの時点でユイに母の話をすべきだと考えている。竿を切らないと決めたのでなお一層思い込んでいる。こういう夫婦もあっていいのだろうと私は考えている。
 最近はカオルから携帯を持たされている。4時過ぎに寿司屋に入る。ユイはわさび抜きの卵焼きが好物だ。もうはい回ることもできるようになった。サエは私似だというが不思議だが顔がサエに似てきているように思う。
「今いいか?」
 探偵の声だ。
「テレビがつけられるか?6チャンネルだ」
 横で聞いていたサエがチャンネルを変えてもらう。
「昨夜死体で発見された。いや発見したのは俺だが。今まで足止めをされてた」
 テレビにはビジネスホテルの建物が映っていて、横浜の組長の弟の顔写真が映し出された。
「ピストルを銜えた自殺ということになっているが」
 確かにアナウンサーが自殺だと説明している。
「だが警視庁の刑事は他殺と見ている。でも荒立てる気はない。おそらく若頭のヒットマンだと見ているな」
「と言うことは仲間に殺された?」
「武闘派は今は頭取の援助で不良債権を整理してもらっているのさ。頭取は合併ばかりではなく不良債権の整理にも力を持っている。やはり金融の黒幕になったさ」
「無言の圧力か」




初恋 10

 翌日に探偵に福岡に走ってもらった。週刊誌も翌々日に出た。私はカオルに電話を入れた。           
「頭取はいる?」
「今部屋でビールを飲んでいるわ。替わるわね」
 どうやらカオルは東京に戻っているようだ。
「横浜の組長の弟から脅しの電話なかったですか?」
「いや」
「週刊誌を見なかったですか?」
「あんなものは読まん」
 どうもあの記事は脅しにならなかったようだ。なら敢えて知らせる必要もない。あの記事を見て動くのは?総理の線まで彼は知らない。脅しは空振りか。
 夕方探偵から電話が入った。
「フリーのライターに会ったが、ホテルの喫茶店で会ったとしか。それで今人相書きを持って周辺を聞き込みしている。警察も動いているようだ」
「どうして?」
「若頭の犯人と見ているのだろう。頭取への恐喝だとは思っていない。警察が絡むとまたITM事件は再炎上だな」
「それも困るな」
「今応援してもらっている探偵仲間からやくざらしい男達がいるホテルの部屋があると情報が入った。取り敢えず現場を確かめてみる。それからどうするか考えておいてくれ」
 頭取が金を出すとは思えない。情報があったら消す方に動くだろう。どうすべきか。






初恋 9

「調べてみましたよ」
 喫茶店に入るともう記者は来ていてメモ書きを整理している。
「この雑誌は大衆誌の部類に入り、興味半分の記事が多く警察も敢えて見ていません。いわゆるガセネタの宝庫です。でもあなたが事実というならそうでしょう。ITM事件は真相は闇の中で幕が引かれると思っています」
「この発行元は?」
「東京ですが、この記事はフリーが持ち込んだもので、福岡から送られてきたものです」
「そう言うことはすぐにわかるのですか?」
「この手の雑誌はフリーをたくさん抱えていて紙面が空くと埋め込みます」
「と言うことはそのフリーを捕まえるのも?」
「訳はないでしょう。でもその横浜の組の弟を捕まえるのはそう簡単じゃないですが」
「今警察では?」
「大阪の武闘派と一緒に逃げていると見ています。でもどうしてこんな危険な賭けをするのですか?」
「黒幕と交渉をしようとしているのです」
「金を引き出して逃亡ですか?」
「ですがそれまでに殺されてしまいます。それでお願いですが、この記事の俺が若頭射殺の犯人で横浜の組長の弟であると記事にしてもらえませんか?」
「それはいいですが」
「これ以上死人を見たくないのです」




初恋 8

「泊まっていく?」 「いや、もう帰るよ。使えなくなったかも?」  カオルの引き止めるのを振り切って新幹線に飛び乗る。カオルのセックスはマラソンのようだ。おそらく殴り合いをしたら完全ににノックダウンされる。  席に座ってホームで買った週刊誌を拡げる。ITM事件の証言!と言う見出しで3面記事のような扱いで載っている。 「・・・俺は政治向きのことは分からない。兄貴に頼まれて伊藤を横浜の倉庫に監禁した。彼とは何度か飲んだことがあり安心して車に乗せた。それから睡眠薬を入れたビールを飲ませる。そこから伊藤はITM事件から消えた」  そこまで読んで筆者は横浜の組長の弟と察した。彼は今どこかに逃げてこれを書いている。だが目的は? 「伊藤を捕まえろと言ったのは兄貴だ。今まで伊藤が雇い主だった。それで兄貴に問い返した。一言鞍替えだと言ったきりだ。その頃から組の資金パイプが広がった。指示を持ってくるのは吃驚するほどの美人だ」  カオルのことだ。 「伊藤をどうするか判断は決まらなかった。テープと盗聴器のことを繰り返し拷問しながら体に聞いた。初めは伊藤が隠していると思っていたが、どうも本人も知らないようだった。その指示を持ってきたのはその美人ではなく、眼鏡をかけた銀行員の様な優男だった」  これは私が殺されそうになって後のことだ。その銀行員というのは係長で私の後釜に座った。 「私の仕事はその男の持ってきた手紙の内容通りに彼を殺すことだった。さも伊藤に殺されたように」  この男が係長を殺したのか。今まで伊藤だと思っていた。指示したのは当然頭取ということになる。私を逃がしたカオルをこの時は使わなくなっている。 「この男が死ぬ間際まで彼の知っているITM事件の真相を語った。殺されそうになって逃げた前任の課長がテープと盗聴器を持っていると言っていた。それと内閣の上層部に金を運んでいたのもその課長だと言っていた。そのテープを取った後彼を殺した」  ここまで生々しい事実を書いているが、当事者しか分からない。どうもこの話はまだ続くようだ。私はカオルから渡された携帯で記者を呼び出して粗方の話をして新大阪で会う約束をした。  

初恋 7

 親分に金融業の撤退の話をした。息子の組長のビルの地上げも終わったので、頭取の紹介で大手ゼネコンに転売した。これで信組の貸付は消えた。後は小口を中心としたものでそれほどリスクはない。その金で息子の組長は若頭が持っていたミナミのソープを手に入れた。これはやっさんが間に入ってまとめたようだ。親分も回収した資金で北新地でレジャービルを買った。姉さんには貸しビル業の方が似合いそうだ。
 私は週の内半分を『白薔薇』の大阪店の事務所に詰めている。ここでサエの経理も兼ねて作業をしている。とくに今はすすきの店の準備でカオルは飛び回っている。事務所には男女の事務員が席を並べていて、ちょっと異様な風景だ。カオルは彼女達の次の仕事も考えているようだ。取り敢えずサエの店に手の器用な子が見習いで来ている。
 私も今日は朝からすすきのでカオルと合流だ。カオルは昨日まで新しい子のショーの特訓をしている。それにしても吃驚するほど、ニューハーフが多く美人揃いだ。だが彼女曰くサエのような天然の美人はいないそうだ。ほとんどが整形美人だから同じような顔をしている。
 12時を過ぎてカオルが最後のショーの練習を終えて自分の部屋に上がってくる。私はゆっくり風呂に入って小瓶を3本並べている。カオルはシャワーを浴びて全裸で私の前に立つ。
「サエ竿を切るって言ったらしいね?」
「そんな話もしているのか?」
「私とサエは修司より記憶の繋がったダチだよ。二人なら大胆なプレーができるわ。相当溜まっている。飲み干してくれる?」
と言いながらそそりたったものを口の中の押しこむ。そして私の胸にお尻をついて両足を肩に掛ける。これは惚れあってた頃よくしたプレイだ。ゆっくりと右手を指からアナルにねじ込んでいく。すっかり腕まで入っていて押し上げるとお腹が膨れる。ここから拝むように左手を滑らせて行く。
「これは修司としかできないよ」



初恋 6

 姉さんがカオルに熱を上げた。別れ際に写真を撮らせえて貰って引き延ばして壁に貼り付けてため息ばかりついている。それで今度大阪店にカオルが来た時に連れて行くことになった。指名をして抱きかねない勢いだ。
 今夜はユイをフミコに預けて、記憶が戻って始めて阿倍野の白壁のホテルでサエとデートだ。どうもまだ一つになれていないそんな気がするのだ。サエが母親になったというのもあるがどこかに壁があるような気がする。
「泊りはだめ」
 と釘を刺されている。
 ビールを口に含んでサエに飲ませる。これはサエのお気に入りだが、恥ずかしがって全裸になっても丸虫のようになっている。私は思い切り嫌がらせのように自分の反りかえったものを喉の中まで押し込む。目が真っ赤になって涙があふれている。私も涙が出そうになって意地になって押し込む。じっとこらえているので更に自分が激しくなっているのに気付く。
「う!」
 サエの口からゲロがあふれてくる。私は咄嗟にそのゲロを飲み込んでいる。
「だめ!」
「サエのものはなんでも食べる」
「汚いよ」
「温かい」
 今度はやみくもにサエが吸い付いてくる。
「サエそれでいいんだ。二人はもう離れられない。竿は切るな!」
「だって」
「ユイにしっかり話すんだ。サエに竿がないなんで耐えれない」
 サエは頷いたら思い切り私のアナルに入れてくる。やたらと腰を振って泣きわめいている。
「サエを体が覚えている」
「ほんとに!」






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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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