空白 戸惑い 9
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戸惑い 9

 記者が会いたいと電話を入れてきた。それでいつもの小料理屋で会う約束をした。
「遂に『白薔薇』のママも呼ばれたな」
「知っている」
「悪いが伊藤と頭取とママの三角関係を書かせてもらった。もちろん第2課長のことは一切触れていない。それでもここまで踏み込んで書かれたのは初めてで、業界だけでなく地検からも電話を貰った」
 拡げられた週刊誌に目を通す。検察もそうだがまだ総理までには至っていない。頭取はここのラインを遮断しようとしている。でもそれは口にできない。
「ママの名は東田透だ。これは次回に載せる。伊藤と出会ったのは16歳の時だ。その時はまだ手術をしていない。当時の同僚の女に確認してきた。17歳に伊藤の店に出ている。手術費は伊藤が持ったらしい」
 記憶が全くない。
「頭取にママを紹介したのは伊藤だ。店には一度も頭取が現れたことがない。いつも第2課長が来て連絡係をしていたそうだ。頭取は直接ママの部屋に入った。その頃はビル自体が伊藤の会社から頭取の関連会社に名義移転されている」
「詳しいですね」
「ママが頭取の女になったのは19歳のときだろうと思う。その頃さらにそのビルは東田透の会社名義になっている。伊藤はその頃すでに大阪に来ている。そこから計算するとママはまだ26歳と言うことになる」
 まだそんなに若かったのか。実はサエの年齢も分からないのだ。
「新堂修二それがあなたの名前です。どうもすでに知っておれれるようですね?今年で32歳。第2課長は大抜擢だったそうです。あなたは新橋支店で営業成績を上げて本店に呼ばれたそうです。あなたはママとよく新宿の店で飲んでいた。店の主人は仲のいいカップルと言ってました」
 そんなに楽しい時間があったのか。
「あなたが逃げ出したのは頭取にばれたからではありませんか?」
「分かりません」







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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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