空白 模索 4
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模索 4

「今日の週刊誌の記事で警察が頭取に任意をかけたよ。あれは君か?」
「いえ、ママから指示を受けたマネージャーが渡した。こちらは合併の話を流したが」
 探偵が週刊誌を広げて見せる。やはり写真がアップされている。これは頭取が見れば自分の別荘で窓にいるのがカオルと分かる。警察も気づくだろう。念入りに捜索願いを出した後の日付だ。こういう日の来るのをカオルは想定していた。
「それと例の貸金庫の鍵だが池袋の合併先の銀行だ」
 カオルはどうやら貸金庫の銀行を推定していたようだ。だからあのスナックに寄れと言ったんだ。私がいろいろ出し入れするのを知っていたようだ。
「ママとも連絡は取った。今朝頭取が現れたようだ」
「何かあった?」
 また凶暴な行為を要求したのか。
「1時間ほど話して帰ったそうだ。妙な想像を与えないように聞いたことだけ伝える。合併は決まった。同時に私は銀行を去る。本当はお前といつまでも暮らしたかった」
 探偵は言葉を思い出すように抑揚なく言う。やはりカオルを愛していたのだ。
「新堂を近づけすぎた。まさか恋に落ちるとは。だが今になってみれば新堂は私と似ていたんだろう。気付くのが遅かった。それにどうしてあの男に新堂を殺すように指示したのか。それまで新堂もカオルも私の手足だった。あそこから何もかもが狂ってきた」
 確かに頭取の言うようにカオルと密会していたが頭取を裏切るつもりもなかったと思う。
「貸金庫のものは二人で分けなさい。その代りその中にある金以外のものは墓場まで持って行ってくれ。でなければ二人を殺すことになる」
「今夜カオルを救出する。段取りをしてください」
 今度カオルは関東のやくざに狙われる。







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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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