空白 模索 10
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模索 10

 なんと大胆に編集長は頭取の応接に私を送り込んだ。カオルは今大阪に出かけてサエと会っているだろう。カオルは今後のことを考え始めている。サエにいろいろ説明すると言ってくれている。
「どうだ記憶は戻ったのか?」
 頭取から声をかけてくる。
「戻っていませんが、あの頃の状況はかなり掴みました」
「恨んでいるか?」
「いえ、カオルを寝取ったのですから仕方ないと。でも私は今カオルを守る立場です」
「そうか分かった。私もとことん追いつめられたものよ」
 寂しそうに笑ってコーヒーを勧める。
「カオルはいい女だ。もう交わる力も失った。面倒を見てやってくれ」
「頭取はこれからどう考えているのですか?」
「総理は逃げ腰だ。おそらく今のポジションも実現しないだろう。お互い夢を持って組んだ。一方は足を踏み外してこのざまだ。総理はもう朋友ではない。私には動いてくれる味方がいない。自業自得だな」
「カオルからも手伝いしてほしいと言われています。金融再編はなったのですが、どうも総理も頭取もそれを横取りされた格好になってますね?」
「よく分かるな?」
「USBを見ているとよく分かります。でもこれ以上進まれると危険です」
「だがその向こうには何も見えんのだ」
「幾つになられました?」
「今年で67歳だ」
「引退してカオルの会社の会長でもされたら?」
「カオルには君がいる」
「カオルには悪いのですが私には今サエがいます」
「らしいな。カオルは嫌がるだろう?」
「これはカオルの提案です」









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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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