空白 一区切り 2
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一区切り 2

 銀行の合併が案の定延期になった。しばらく頭取が業務を続けることになったわけだ。これは総理も承諾済みだし会長も知っているだろう。それを待っていたように他行の合併話が2件新聞に発表された。3面記事に横浜の組長が収監され組も本部預かりとなったと書かれている。
「大変だったようね」
 久しぶりに顔を出した事務所で姉さんから声をかけられた。
「こちらこそ勝手をして」
「その代り毎日サエのところに行ったから楽しかった。ユイがはいはいしたよ」
「親父さんは?」
「1度事務所に顔を出したけど、歩けないからね。それと兄貴が相談に来るって」
 言い終わらないうちに表に車の止まる音がして、小頭と組長が顔を出した。
「待ちかねていたんだぞ」
「あの雑居ビルの件ですね?」
 小頭が立退き状況説明する。心配をよそに思ったよりのスピードで立退き合意が取れている。資金は出来るだけリスクのないように最大に後ろに引っ張る作戦だ。
「問題が出たんだ。あのITMファイナンスの差押え地が任売になるようなんだ。それが若頭が噛んできたんだ」
「どうします?」
「戦争などできんわ。今の立退きを仕上げたら売渡の間に入ってほしいんや。親しそうだからな」
「一度会って打診してみます」
 若頭はITMファイナンスの不良債権を買い漁っているようだ。確かに兄貴のような小さな組は口の出しようがない。だが何とか親父さんの気持ちを立てていい値段を付けようと思う。






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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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