空白 記憶 4
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記憶 4

 水を飲まされて蒲団に巻き込まれた。折られた指はもう感覚がなくなっている。それに彼らの言っていたように言葉が出ないよう見なっている。体を持ち上げられ階段をゆっくり上がっていく。どこかに移されるようだ。しばらくして荷台に転がされる。それからゆっくり車が走りだす。
 布団で包まれているので息が苦しい。車は何度か細い路地を曲がった時激しくぶつかる音がして後ろのドアに叩きつけられる。喚き声がして蒲団ごと外に運び出される。もう一台車が来ているようで蒲団ごと運び込まれる。
「私よ分かる?」
 カオルが蒲団から顔を出す。私はうんうんと首を振る。
「走り出すのよ。後は小頭に任せるの。部屋に医者を呼んでおいて。指が潰されているわ。段取りは東京から来てくれた探偵がしてくれた」
 探偵の顔も覚えている。
「カノンが見つけてくれて知らせてくれたが覚えてる?」
 首を横に振る。
「鞄のありかを教えた?」
 首を振った。鞄は覚えているが、どこに隠したかは覚えていない。すっかり車にぶつかったところから記憶が消えてしまっている。
「記憶は戻ったけど、イサムの時の記憶が消えたんだわ。サエは?」
 サエと言う名前に覚えがない。
「こんな日が来るのを恐れていたわ」








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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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