空白 記憶 7
FC2ブログ

記憶 7

「この記事を見て見ろ」
 迎えに来た探偵が週刊誌を拡げる。ITMファイナンス事件のNは総理だと書かれている。
「どうしてこんなのが出る?」
「私設秘書と折り合いがつかなかったのだろう。総理もケチだからな」
 車を降りるとホテルの荷物用のエレベターに乗る。カオルから頭取との面会を頼まれている。部屋の前にはボディガードが2人ついている。私だけが部屋に通される。
「久しぶりだ。手荒い拷問で記憶が戻ったらしいな」 
 前と比べると血色がよくなっている。
「Nの件が出ていますが?」
「あれは儂だよ。私設秘書を抱きこんだ。総理はあれでケチだからなあ。たっぷり後任人事の資金を手に入れたのに、銀行局のポジションを渋っているのさ。人間なんてどこかせこいものだ。カオルでは儂も狂った」
「いえ、私が悪かったのです。男に恋をするとは思っても見なかったのです」
「カオルも同じことを言っていたわ。儂も伊藤の誘いにまんまと引っかかった。まさか男に狂うとはな。分からんものだ。今の気持ちは娘を嫁がせる父親の気持ちだ」
「でも私はカオルとは一緒になれません」
「それも聞いている。写真を見たが今の彼女は若い時のカオルにそっくりだ。いい相棒になってやってくれ。それと今日は最後の力になってほしい。総理に最期の一芝居を打ってほしいんだ。彼は気が弱いから武力で訴えることはない」
「ピーナッツを渡した記録ですね?」
「ああ」
「貸金庫を今触ることはできません。方法は私に任せてくれませんか?」
「もちろんだ。儂が君を騙せばカオルに殺される」






スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

FC2USER015477MKZ

Author:FC2USER015477MKZ
学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
プロフィール

FC2USER015477MKZ

Author:FC2USER015477MKZ
学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR