空白 初恋 3
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初恋 3

 ボンと2家族で天王寺動物園の散り始めている花見に出かける。今朝は女性陣で早くからお弁当作りで、私とボンはただ荷物を持つばかりだ。開園と同時に桜の木の下を陣取る。ボンの子供は男の子で私の子供は女の子なのでもう勝手な結婚話になっている。ボンはサエが男であることを知っているが、フミコには知らせていない。妙な気遣いを気にしてボンが伏せている。
「銀行には戻らないのか?」
「ああ、ずっとイサムで生きていく」
「ならこの町にずっといるわけだな」
「金融屋を続けるかどうかは迷っているがな。姉さんでは難しいので金融は一度整理の話をしてみようと思っている。今回の若頭の貸付の回収で一先ず落着く」
 サエがビールを配っている。
「そちらはどうなんだ?」
「親父は寝込んでいて息子のことも分からないでいる。母親はあの事件で懲りることなく、あの板前と駆け落ち同然でアパート暮らしだ。それでフミコを籍に入れた」
「まあよかったな」
「従業員も何とか落ち着いたのでそれぞれの彼女に今の店を分けて整理を考えている。二人なら本店だけで食べていける」
 親父には3人の彼女がいるのだ。
「ITM事件は終わったのか?」
「どうだか」
 何人も人が死んだのに事件は曖昧なままだ。これが政治の世界なのか。
「そうだ。やぶ医者が一度飲もうと言ってたぞ」
「相変わらずあの店に通っているのか?」
「そうだ。いつもちょこんと座っている」







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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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