空白 黒幕 12
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黒幕 12

 どうもカオルと組むと、政界とは足が切れないようだ。とは言えカオルと縁を切ることなどできない。彼とは生来に縁なのだろう。夜に東京に呼び出された。迎えに来たのはカオルで会長の本宅に向かう。
「二人は似合いだな。それでも一緒になれないか」
 カオルが私の横に座って私の手を握っている。
「妻にはなれませんが死ぬまで相棒です。夢の店舗展開も始まりました」
「儂も最後の勝負ができるのでわくわくしておるわ。カオルを拾ったと伊藤が言っておったが、あれは儂が作った作り事や。週刊誌が書いてくれたので伝説みたいになっとるがの」
 私も伊藤の話を信じていた。カオルが否定しないせいもあった。
「元々儂の田舎の知人の世話で12歳の頃事務所の駒使いをしていた。それが時々隠れて女の子の真似をしていて、ついに竿だけになりよった。儂も悪かった。政治家に抱かせていたからな。ある意味ではカオルは儂の耳だった」
 今も耳なのだろう。あの頃はそう言う世界が見えなかったのだ。
「今度の勝負で儂は引退する。後はカオルの任せると言ったが、君と二人で継ぎたいというのや」
「私はサエに妻の座は譲った。でもこれは譲らない」
 私はゆっくりと手を握り返した。
「それでや。明日にでもこの男に会ってもらいたい」
 これは離党した派閥の長だ。2代目でまだ若い。

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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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