空白 空白6

空白6

「関空まで付き合って」
 腕時計を見てタクシーを呼んでいる。
「次はいつ来る?」
 高速から海を眺めているカオルの耳に囁く。
「次は10年先か。修司は立たなくなっているかもね」
 かもしれないと思うと歳を取ることは恐ろしい。うとうとしているとタクシーは桟橋を駆け抜けて空港内に滑り込む。カオルはトランクを預けると腕時計を見てレストランに入って行く。
「やあ早かったのね」
 窓際のテーブルで結衣が手を振っている。サエも隣に座っている。
「やった?」
「しっかりとね」
 カオルの返事に結衣が笑っている。サエが結衣にすべて話しているようだ。
「これはね、結衣と約束したんだけど、来年から1年間結衣がロスに留学することに。私と暮らすのよ」
「なんだか心配だな」
「心配?」
「ああ」
「お父さんはお母さんやカオルさんのことが分かっていないよ。二人とも女性には興味がないの。私はずっとお母さんのようなちんちんが欲しかった」
「覚悟するのね。結衣の人生も過激よ。あなた以上かも」

             《完》

『空白』は未完のまま永い間段ボール箱の眠っていました。
時々夢の中で続きの話を繰り返し繰り返し見ていたようです。
書きだすと走るように物語が出てきました。
そのうちに『刺青』が隙間から生まれました。
『復讐の芽』はこれは挑戦です。

        夢人






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コメント

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突然ですが…

ブログ読んでる内に…ファンになってました(´ω`*)
なんかこう純粋な優しさを感じたんです。
少し冷静さを取り戻せた気がします
今の私は、思い足枷が足のみならずなんかもう両足両腕にはめられてるんじゃないかと思うぐらい心だけじゃなくて体までしんどくて…。

FC2USER015477MKZさんも日々、苦労や悩みお持ちだと思うのですが相談とまで言わないので私の話聞いてもらえたりしませんか?

耳を傾けて頂けるだけで有難いです
お返事を本当に心から待ってます。
ご迷惑ならコメント事私のことも消してください。すみません。

No title

コメントありがとうございます。
最近は溜まっていたものが噴き出しように・・・。
『橙の電車』を今更新していますが、
これは今までと違う新しい分野です。
是非読んでまた感想をください!
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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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