空白 背中が見える 6
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背中が見える 6

 夕方若頭から電話があり白のベンツで迎えが来た。本部のビルにあるステーキハウスだ。一番奥に個室がある。ここには親分と来た日も入ったが、この個室の壁に厨房から入れる細長い部屋がある。中に通されると黒づくめの男が2人イヤホンをはめて映像を見ている。無言でイヤホンを譲ってくれる。
 テーブルに若頭と金融会社の社長が座ってワインを手にしている。正面には伊藤と年配の男が座っている。
「京都のタクシー会社と接触しはったらしいですな?」
 派手なネクタイを締めた方が伊藤だ。
「あれは本部に頼まれた金融屋や。ただ話は聞いている」
「売られるならこちらが親分の手数料を用意しまっせ」
「京都でファイナンスされているそちらの社長は線引きはどう思われます?」
 若頭が私の言った線引きを言っている。
「うんなあ」
 Kファイナンスの社長も感じているようだ。
「でもここまで来たら行くしかないんや」
 伊藤が否定する。確かに追い詰められている。
「S銀行の頭取とはあまりよろしくないという噂やがのう?」
「自分の尻に火ついて来たら昔の恩も忘れよる」
「そんな恩売ってるのかいな?」
「頭取選の時、かなりやばい情報を流してやったし、女も譲った」
 苦い思い出でらしく顔が歪んでいる。『白薔薇』のママのことを言っているようだ。
「それにとっておきのネタを持っているんですわ。ただ・・・」





 
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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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