空白 登場 1
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登場 1

 私が番頭の貸し付けを放棄を宣言してから姉さんは口もきいてくれない。これもやも得ないと今日は親分とラブホテルの売買に立ち会う。
 すでにラブホテルは休業していて、取引はホテルの会議室で行う。私は前日から担保の抹消書類を用意して親分に付き添って会議室に入る。すでにラブホテルの社長も来ていて手を上げる。相手側はまだ司法書士が来ているだけで『白薔薇』のママの姿は見えない。おそらく取引の場にまで出て来ないだろうと期待はしていない。私は最近は髭も剃って黒縁のガラスメガネをかけている。
 ドアがゆっくり開いて年配の男の後ろから地味なスーツ姿の女性が入ってくる。
「やっぱり来てくれはったんやなあ」
 ラブホテルの社長が立ち上げって握手をする。
「握手が条件の取引なんて始めてです」
 どうも彼女が『白薔薇』のママだ。彼女は握手を済ませると年配の男に合図する。私も封筒から抹消書類を取り出す。
その時突き刺さるような向けられらのを感じた。テーブルに札束が積み上げられる。親分が頷くのを見て勘定を始める。
「銀行員の手つきですね?」
 ママがふいに口を開いた。
「いやか街金ですわ」
と親分が答える。
 取引はあっという間に終わって『白薔薇』のママは即座に姿を消す。
「いや、あれがちんぽのついた男か。20歳代後半の可憐な女だよな」
「また悪い虫が出てきたんやろ?」







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学生時代に書きためたノートの埃を払って万年筆の文字を打ち直し始めた2作目です。この作品は未完で今回はなんとしても完成したいです。

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